2007年、年末 第2話の特撮シーンの撮影(執筆2008年3月23日)
2話の特撮シーンを撮影したのは去年の年末だ。1話の特撮を撮影したとき同様、年末と正月休みにしかフジタ氏のまとまった休みがとれない為である。
でもガレージで特撮を撮影してからまだ3ヶ月しかたってないなんてあらためて驚きだ。とか思いつつあの時は春はまだまだ遠いなんて思っていたのに、今はもう春の兆しがはっきりと見えてきているのだから時間の感覚なんて本当にいい加減なものである.
まあ、どうでもいい話はこの辺にしておいて、2話の特撮シーンのレポートを思い出しながらかいていこうと思う。
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撮影現場のガレージに行くと前回とは別の新たに製作された発進口の骨組みが置いてあった。また2006年の年末と同じ段取りでこいつに装飾をほどこしてセットをつくるのだ。前は日替わりで助っ人がきてくれたが、今回はすべての作業を2人で行わなくてはならない。
ガレージにつくと同時に、発進口の装飾を始めた。装飾はそれほどはかからなかったとおもう。でも撮影しなくてはならないカットがたくさんありすぎて、たとえスムーズに進行していたとしても先の事を考えるだけでぐったりしてしまうようなスケジュールだった。
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フジタさんのアドリブ的なアイデアで突然決まったスピードアタッカーという機体の登場。それによってその機体の独立した発進シーンと他のメカへの合体シーンを撮らなくてはならなくなった。これによってかなり大掛かりなシーンの撮影を追加しなくてはならなかったのだ。
わずかな短いカットのためにそれだけに大量の労力と時間を割くことには以前はそれほど快く思っていなかった。
が、第一話ではカットは短くとも劇中では発進シーンなどを別のサイズで製作した模型を使い、撮影していることは映像的にかなりの効果を出していることをこの時すでに理解していた。なので、このシーンはそれほど反対する事なく、フジタ氏にすべてをお任せする感じで撮影に挑んだのだ。
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機体が上昇していくシーンの撮影ではモデルは回転する台の上に乗せられているだけで上昇はしない。巨大な外壁を上下台に乗せてそれをモーションコントロールで制御しているのだ。これはかなり大掛かりな作業だった。しっかりと溶接された鉄骨の骨組みを使っていたからこそ出来た撮影だった。
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合体シーンもフジタさんがとてもやりたがっていたシーンだったのでお任せした。仕掛けはすべてモーションコントロールで制御される。
尺は短かったが撮影するカットが大量にあったために、その都度のセッティングで大量の時間を割かなくてはならなかった。また広角レンズにこだわっていた為、黒バックの背景が足りずに各セッティングごとに背景のセッティングも変えなくてはならず、この事が作業に時間をとらせた理由の一つでもだった。
撮影があまりに大変だったので、途中、フジタさんがいろいろ知り合いに電話をかけてお手伝いをお願いしていたようだが、誰一人手伝いにはきてくれなかった。そりゃそうだろう・・・・年末でゆっくりしているところへそんな電話されても俺だって断るよ・・・・・。
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惑星に降り立ってからのシーンの撮影準備も1日ほど時間を割いてしまった。結局、材料を用意してあるだけでセット関係はすべてその場で製作しなくてはならなかったのだ。セットの製作だけでなくアオシマのラジコン戦車などもその場で塗装しなおす感じの行き当たりばったりな撮影だった。
モデルが地面スレスレを滑走するシーンでも、スピードアタッカーの上昇の撮影方法をいっしょで、モデルではなく3メートルもある地面が手前から奥へかなりのスピードで移動する仕掛けを作ったのだ。エアーを送り出す装置をとりつけて滑走中に地面から煙をおおさせたり、細かい演出にもかなりこだわっていた。
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滑走シーンの撮影が終わった後はモデルの足だけを取り外して、足だけを人間が手で動かしてロボットが歩行するシーンなどもアドリブで撮影した。
大量に登場する戦車軍団のシーンもラジコンで撮影したわけだが、ラジコンに関しては予算的に1台しか用意できなかった。なのでこれはカメラをしっかり固定して何度も同じ背景で戦車だけ何回も少し変えたパターンを撮影して編集段階でそれらをまとめあげて何体も登場しているようにみせた。
とにかく終わらせなくてはしかたないので、年が変わる瞬間だろうが、お正月だろうが、撮影は続行!撮影が終了した4日目は元旦となっていた。
セットの製作と特撮シーンの撮影をおこなったこの4日間についてはvol.2のDVDにしっかりと密着ドキュメンタリーが入っているので見られる人はみてほしい。